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外来種問題について考える

こんにちは。そろそろ夏休みが始まりますね。夏休みと言えば、私は東北の田舎出身の自然大好きっ子でしたので、虫捕りだったり魚釣りだったりと、いろんな生き物で遊んでいた思い出があります。高校生の頃も地元の渓流でよく釣りをしていましたが、どこに何がいるのか調べるなかで、特定外来生物のブラッグバスが生息域を拡大していることを知りました。大きなダム湖やその下流域は知っていましたが、小規模で独立している水域においても同じ状況だったことを知り、驚いた記憶があります。地元の自然を外来種から守りたいという気持ちを込めて執筆します。

 

 

外来種とは

万が一外来種とは何か知らない人のために説明します。外来種とは本来の生息、生育地以外の地域から人為で運ばれてきた生物のことを指します。そのため外来種と一言で言っても「国外由来の外来種」と「国内由来の外来種」に大別することができます。理科の教科書で有名なブラックバスマングースなどの外来種は前者の方です。それら外来種の中には私たちの生活に有用な外来種もいれば、様々な問題を引き起こす外来種もいます。後者の方をまた「侵略的外来種」と呼びます。今週はこの侵略的外来種について、どのような問題を引き起こすのか、それを解決するにはどうしたらよいか、取り上げていきたいと思います。

 

 

 

外来種の何が問題なのか

 

当たり前のことですが、外来種も生きて行くには既存の生態系の一部を利用する必要があります。しかし言ってみれば外来種はよそ者です。長い時間をかけて絶妙なバランスが築かれている生態系に溶け込むのは容易ではありません。在来種を過剰に捕食してしまったり、テリトリー争いで追い出してしまったりすることで、生態系のバランスを崩してしまうということがあります。また、在来種と外来種が交雑してしまい純粋な在来種の遺伝子が失われる遺伝子汚染という問題も起こります。

こういった既存の生態系の崩壊、遺伝子汚染がなぜ良くないことなのか、それは生物多様性が失われるからです。生物多様性とは多様な生態系、種、遺伝子が存在することを表します。私たち人間は自然界から豊かな食料やきれいな水、観光資源などあらゆる恩恵を授かっていますが、直接的にも間接的にもすべての動植物がそこに携わっているため、生態系がより多様で複雑なほど、より多くの安定した恩恵を得ることが出来るとされています。未来の人類が豊かな自然の恵みを受けて暮らせるように、今の私達には多様性を守っていく義務があると思います。

 

 

外来種被害予防三原則

外来種から生物多様性を守るにはどうすれば良いか。環境省では外来種被害予防三原則というものを掲げています。「入れない」「捨てない」「拡げない」の三つです。「入れない」とは生態系への悪影響を及ぼすかもしれない外来種をむやみに他の地域に持ち入れないことを表します。「捨てない」は飼育や栽培で外来種を扱う場合に、それらを野外に捨ててはいけないというものです。「拡げない」は野外で外来種が繁殖している場合、それらをこれ以上「拡げない」というものです。

 

私たちにできること

以上が環境省で掲げているものになりますが、正直これは当たり前のことだと思いました。ですが、当たり前のことにも関わらず、外来種は今日も繁殖し続けています。それはなぜなのか。私は釣りが好きで、よく釣りの動画を見るのですが、その中にはブラックバス釣りの動画も結構あります。その中で動画内容やコメント欄を見て、外来種の危険性や対処法を知らない人が意外と多いのではないかと思うことが多々あります。そもそも昔の人が外来種について何も知らずに持ち込み、拡げてしまったために、今このような問題が起こっているわけですが、今もそれは変わらず外来種について知らない人が意図せず外来種問題を助長しているのではないか、と思ってしまいます。そのため、私は環境省の掲げている三原則に「外来種を知る」というものも加えたいと考えました。何が外来種でどんな問題を起こすのか想像する。そこから始める必要があるのだと思います。様々なものが行き交うこの世の中ではより一層外来種問題には気をつけなければなりません。外来種問題を解決するために、みなさんもまずは「外来種を知る」ことから始めて欲しいと思います。