MRTジャカルタ開通記念特集!!
全国のインドネシアを愛するみなさま。こんにちは。
本日、2019年3月25日が何の日か、もちろんおわかりですよね。
そうです、今日は、ジャカルタでMRT(地下鉄)が開業した日です。
え?知らなかった?
安心してください。私も知りませんでした。ついさっきまで。
そんなわけで、今回は、MRTジャカルタ開通記念特集!
ジャカルタのMRTって?
このブログでも度々登場しているワードではないでしょうか。インドネシアの首都・ジャカルタを南北に縦断する大動脈、沿道にはオフィスが集うメインストリート、タムリン通りを貫く全長およそ16kmの地下鉄です。インドネシアで初の地下鉄だそうです。
この地下鉄建設は円借款の事業の一つとして進められています。「世界最悪」とも形容される交通渋滞の緩和を期待され行われているこの事業は、日本が全面的に支援しているようです。
「世界最悪」とはよく言ったもので、過去の記事においてもその凄惨さは度々語られています。その実態を具体的な数字で表すと、乗用車で30km移動するのに1時間以上かかります。途中で高速道路に乗ったにも関わらず。私の実体験です。下手したら自転車の方が早く移動できそうです。
このジャカルタのMRTですが、SNSなどでは、「#MRTJKT」というハッシュタグで賑わっているようですよ。
そんな背景があって発展したのが二輪車文化であるわけですが、一旦置いておき、今回はインドネシアの公共交通機関にスポットを当てていきます。
インドネシアの公共交通機関
鉄道
派遣事業の中で見たジャカルタ周辺の鉄道は、主要な通りに沿ってまばらに敷設されているようでした。東京の鉄道網とは異なり、血管のように緻密に敷設されているのではなく、どちらかというと、大きな街とその間を転々と結ぶ田舎の鉄道に近いイメージだと思います。
私たちのプログラムに引率してくださった方の話では、日本の中古の車両が今でも現役で運行しているそうです。最近では少なくなったようですが、一昔前では日本で運行していた頃の広告がそのままに、颯爽と駆け抜ける電車もあったのだとか。
今はまだ未発達ともとれる東南アジアの鉄道産業ですが、今まさに、そしてこれから、どんどん発展していく分野だと思います。
これは余談ですが、これまでインドネシアで鉄道産業が発達してこなかった理由の一つとして、歩道の舗装が劣悪であるということが挙げられるらしいです。今回のプログラムではあまり徒歩移動をすることがなかったため、いまひとつ気に留めていなかったのですが、つまり裏を返せば、歩道の舗装に関して気にならないということは、今はもう、そこまで劣悪ではないと言えるのではないでしょうか。歩道が改善されたからこそ今回の地下鉄着工に至ったのでしょうか。どうなのでしょう。
高速道路
ところで、東京の電車って難しくないですか。JRだけでなく私鉄もたくさんありますし。料金も微妙に違いますし。
運営会社や料金が異なるといえば、インドネシアの高速道路も同様でした。ホストファミリーの運転で高速道路に乗ったとき、「これからfree wayに乗るよ」と言っていたので、「インドネシアの高速ってアメリカのようにタダなの?」と尋ねたところ、インドネシアの高速道路は様々な企業によって管理されており、それ故、料金もマチマチなのだと教えてくれました。
バス
インドネシアの公共交通機関が全く発達していないかというと、実はそんなこともなく、バスは非常に発達しているように見えました。トランスジャカルタという名前の路線バスです。
日本の鉄道駅のように立派なバスの駅舎が道路の中央に建ち、そこに訪れるのは2両編成の大きなバス。そして、バスの車窓に描かれた、ドリアン持ち込み禁止のマーク。(最後のは関係ないですね。)
移動中に見かけた立派なバス駅にはいつも大勢の人で賑わっていました。
中央分離帯に建つバス駅には、道路脇の歩道から、歩道橋を伝って行くようです。
さらに、渋滞の影響を受けないよう、コンクリートブロックで明確に区画された路線バス専用道路も整備されていました。
このバスウェイ、一般車も稀に爆走していたり。どうやら、どこにでもそういう輩は現れるようです。
日本でも、道路標識でバス専用道路と定められている場所もありますが、コンクリートで明確に区分されておらず、原付などの軽車両は走行可能です。インドネシアのバスウェイはさらに厳密であり、原則、路線バス以外は通行してはいけません。
インドネシアに行った際は注意してくださいね。空いているからと言って、通行してはいけません。
もっとも、インドネシアの道路を運転しようとは思わないでしょうが。
それにしても、不運なことに、私は今回の派遣中にドリアンを食す機会には恵まれませんでした。「果物の王様」の呼び声高きドリアン。ぜひ死ぬまでに一度味わってみたいものです。食べた人は皆、口を揃えておいしいと言いますが、一体どのような味がするのでしょう。気になって朝も起きられません。
東南アジアの鉄道産業
ところで、「地下鉄」、「東南アジア」、「日本企業」、と、この3つのワードが並ぶと、何か、ピンとくることがありませんか。
そうです。新海誠監督手がける大成建設のテレビ・コマーシャルです。目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ちなみに私、新海誠監督の大ファンで、「君の名は。」はBlu-rayを購入して何度も繰り返し鑑賞しました。どれくらい見たかというと、もう、見すぎてBlu-rayディスクにぽっかり穴が空いています。マジで。
余談はこれくらいにして。
例えば、タイ・バンコク市内の鉄道や今回のインドネシア・ジャカルタのMRT、そして上のCMにあるようにシンガポールの地下鉄事業と、これだけでも、東南アジアの鉄道産業に対する日本企業の貢献の大きさが十二分にうかがい知れます。なんでも、複数の日本企業が「軍団で」東南アジアの鉄道産業に参入しているのだとか。
ただ、日本企業が業界トップに君臨しているかというと、案外、そうでもないようです。初期からこの業界に携わっていたドイツ、カナダ、フランス各国の企業に、近年爆発的にシェアを伸ばしている中国企業と、ライバルは多いようです。
ただし、今回のジャカルタのMRTにおいては日本企業が受注しています。背景として、「インドネシア高速鉄道計画」が深く関わっているようです。
以下で簡単に説明します。
首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間150kmを結ぶ高速鉄道を敷設する計画で、将来的にはインドネシア第二の都市・スラバヤまで延伸し、ジャワ島を大きく東西にまたぐ大規模な高速鉄道計画です。日本の新幹線と中国高速鉄道が入札を競い、当初は日本案が有利と思われましたが、ジョコ現大統領就任を皮切りに風向きが変わり、日本の案では費用がかかりすぎるとして、中国が受注することに決定しました。当初は2015年起工、2019年開通という計画でしたが、計画は大幅に遅れて昨年ようやく起工。
この一件を受け、今回は日本企業が受注することになったという背景もあるでしょう。
日本の技術は安全で精巧ですが、どうしてもお金がかかってしまうことは事実です。
しかし、今後、国際競争がより高まっていく中で、日本の技術が選ばれるか否かは相手次第かと思いますが、日本の高い技術力は胸を張って誇れる点ではないでしょうか。
以上、今回はジャカルタのMRT開通記念、公共交通機関スペシャルをお送りしました。
また次の記事でお会いしましょう。