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比較!日本と海外の年金制度!

 

 

こんにちは。先週までの投稿でインドネシア関連のブログに一区切り付きました。今週からはより自由に多角的な視点で投稿をしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

さて、私事ではありますが先日ついに20回目の誕生日を迎え、成人となりました。海外に目を向けると、ほとんどの国々で18歳からは成人です。良いことか悪いことかわかりませんが、とにかく日本は珍しい国なのですね。20224月から日本の成人年齢18歳に引き下げられます。つまり200242日から200441日生まれの方々はこの日に成年に達することになります。おめでとうございます。

 

成人するにあたって様々な権利がもらえますが同じく義務も増えます。その一つが国民年金です。無知の私は訳も分からず、この前手続きを済ませました。日本の公的年金制度のこと、それから海外ではどうなのか、気になったので調べました。そこから社会保障の背景には様々な価値観が存在することを学びました。今週は公的年金制度について日本と海外の比較をしながら伝えていきたいと思います。

 

日本の公的年金制度の仕組み

日本の公的年金には基礎年金と厚生年金の二種類があります。基礎年金は成人した時から原則60歳までの支払い義務があるもので、約16000円毎月支払います。学生等所得が少なく保険料を納めるのが難しい場合は免除が利きます。もう一つの厚生年金は就職してから月給の約18(半分は会社負担)を納めるもので、同じく60歳まで支払います。厚生年金は所得が多いほど納める額も増え、将来もらえる額も増えます。これら保険料と積立金、国庫負担で65歳以上の世代、障がい者等の社会的弱者を支えます。もちろん私たちが同じ立場になってももらえます。(詳しく書くと長くなるのでこのあたりでやめます。)支払うのが嫌だなぁとか、損することもあるのではないかと思った方が少なからずいるでしょう。そう思ったかたは次も読んでください。

 

日本の社会保障の理念

日本の公的年金制度のテーマは生涯にわたる安心です。損得勘定ではなく日本人みんなで老齢や病気に対して支えあい安心して暮らせることに最大の価値があるという考えに基づいています。昔は家族で働けなくなった祖父や祖母、けがや病気を持った人を支えていましたが、核家族化が進んだ今日ではそれが難しいです。国民全体が支えあうこの仕組みが昔の助け合いの代わりになっています。そんなことを言っても、自分で資産運営したほうがいいという人もいるかと思います。しかし、自分がいつまで生きられて、それに対しどれほどの貯蓄をすればよいのか、いつ事故や病気で所得を失うか、物価がどう変化するのか、予測がつかないですよね。実際平均すると高齢者の所得の約7割が年金だそうで、国民の生活にとって公的年金制度は重要な柱になっています。

また、最近若い世代にとって年金制度は不利だという話もありますが、何度も言う通り、生涯わたる保険だと思えば損得で考えなくてもよいと思いますし、日本の年金制度が破産することや納めた額より貰える額が少なくなるといったことは無いと、日本政府は断言しているので、実際に損をするということも無いでしょう。

 

海外の場合

海外と日本を比べた時に、まずわかりやすい大きな違いは、所得がない者に対しての加入義務の有無です。日本は全国民に加入義務があるのに対して、アメリカやドイツなどでは無業者はその義務がありません。こういった国には日本の基礎年金にあたる部分がありません。主要各国を見てみると実は加入義務のある国のほうが少ないです。他の国は完全に適用範囲外だったり任意だったりします。特にアメリカは努力した高所得者は報われて当然といったような市場主義的な考えが根付いており、年金に限らず社会保障の力はとても弱いです。市場主義的な制度には共感できる点もありますが、長い目で見たときに国民全員の幸福を目指していく日本の制度のほうが良いのではないかと、私は思いました。

 

また、全国民に加入義務のない国にも違いがあります。たとえば社会保障が充実している北欧のスウェーデンの場合、一定以上の所得がある人から保険料を徴収しますが、年金は全国民に適用されます。これは無所得、低所得者に対してのみ国庫負担で保証金をだしているからです。その一定以上所得がある国民には所得比例年金として、所得に応じた年金が支給されます。とても弱者にやさしい制度となっており、良いサービスを受けるためにはそれなりの負担をしなければならないという、北欧ならではの高福祉、高負担の考えが根付いています。

 

他にも一定以上の所得がある者が一定の年金をもらえ、あとは個々人で年金の運営をするというイギリスのような国や、軍人や公務員と一般職とで異なる制度を適用しているインドネシアのような国もありました。

 

最後に

日本で暮らし、日本人らしい考えがわかる私からしたら、日本の公的年金制度は理解しやすいものでした。しかし今回海外に目を向けると様々な違いを知り、中には納得できないようなものもありました。そこには各国の経済状況、歴史的背景や国民性などが背景に絡んでいるのでしょう。今回は厚生労働省日本年金機構のサイトを参考にしました。気になった方は調べてみましょう。難しいテーマでしたが、たまには頭を使って複雑な社会の仕組みについて考えるのも悪くはないですね。それではまた来週!!